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しおにくが綴る「推さ日記」第3回:推し上手は推され上手になれるのか?(『Idol Manager』)

いきなり破産したんですが

出資者から愛想を尽かされる……。

 え、どういうこと……。チュートリアルを飛ばして適当に遊んでいたら資金が底を尽きました。全然秋●康になれないじゃん。分不相応にシングルCDをリリースしすぎたか、それともメンバーの故障やメンタルの不調をオーディションで入れたばかりの新メンバーを回してカバーしようとした無理が祟ったか。そういや誰かがいじめられてるとか、不穏なメッセージがたくさん出ていたし、よくわかんなくて無視してたんですよね。とんでもないハードなゲームです、これは。

 ゲームオーバーになると、出資者の不二本氏から落胆の言葉と現実を突きつけられ、メンバーとスタッフ全員に契約解除を言い渡さなければなりません。そんなところまでやらないといけないのか……。資金がどんどん減っていくのも胃が痛いですが、LOSERに対しても最後の最後まで「シミュレーション」を提供してくれるこのゲームの辛辣さ。

 気を取り直して二回目に挑みます。人生は挫折してからが勝負!

 主人公は男性と女性から選べます。「安芸元 安寿司」と名づけました。グループ名は「黄泉比良坂47」(よもつひらさか47)。坂系です。拙著『ブロックチェーン・ゲーム 平成最後のIT事件簿』に出てくる架空のアイドルグループの名前です。

プロデューサー誕生の瞬間!

 今回はきっちりチュートリアルを受けます。徒然草にも「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり(第52段)」って書いてありますからね。

 恋愛禁止、SNSは事務所管理、スカート丈はミニスカ+ショーパン。現代のアイドルシーンに合わせます。本当は表向きに恋愛禁止を言っておいて内情としては不関与にしたいのだけれども、インシデントが発生したら不関与かどうか決めることにします。

恋愛禁止! 交際報道が出たときのファンの気持ちを考えてくれ!(切実)

 最近もリアルでファンとの繋がり写真を暴露された地下アイドルが話題になったんですが、事務所はダンマリを通していました。人の噂も七十五日。最近では二週間も黙っていればほかの新しく刺激的な話題に流されてSNSでは話題にならなくなります。

初回プレイの反省から地道な攻略を考える

 チュートリアルが一通り済んで自由にやれるようになったら、まずはメンバーの給料を最低値にします。前回の失敗からケチケチ運営を貫きます。実績も無いのに固定給を出しすぎるのは考えもの。ゲームの数値管理はシビアなので、満足度が顕著に下がらない限りは低い設定で進めます。

 いや、ブラック事務所ってわけじゃあないんだ。きちんと寮に住まわせて食事もきっちり出しているうえでのこの給料設定なんだ、と脳内で自分に言い聞かせて乗り切ります。

 さらにゲームとして挙動が設定されていないけれども、こだわった点がもう一つ。最初にやったときは、事務所エリアの上にダンススタジオを作ってしまったのですが、これも気になっていました。実際こんなフロア構成だったら上からドシドシと振動が伝わってくるので、プロデューサーやマネージャーは業務に集中できないはずです。なので今回は下のフロアにスタジオを作りました。

 初回プレイでは医務室の使い方もわからなかったので、これも設置。万全な体調管理で故障による休暇を短くできたりします。グループアイドルにおけるメンバー休業のニュースは推しメンでなくてもつらいもので、早期復帰を願ってしまいますからね。

 マネージャーも営業と企画で1人ずつ雇っておき、営業は「自動オファー」で仕事を取ってくるように仕向け、企画マネージャーにはレベルアップに繋がる研究ポイントを稼いでいくようにします。

 そして主要コマンドの「公演(収入が増える)」「宣伝(ファンが増える)」「スパ(スタミナが回復する)」をタイミング良く入力していきます。1日にいずれか1つしか実行できないのと、楽曲制作時に早送りモードにしたりしているとつい忘れてしまうので気を付けます。

 スクリーンショットのように序盤ですぐ赤字になってしまいます。オフィスを借り、人を雇うと、息をしているだけで赤字という事態に。まあ、リアルでもそうといえばそうなのですが。ここで出資者の不二本氏が登場。担保不要で500万円をポン! という太っ腹な助け舟。「もしまた赤字になっても、次は助けに来ないぞ。」とのメッセージ。ミッションをクリアすると、次は融資に応じてくれるようになるという仕掛けです。ゲームでよかった。

 しばらくはシングル曲をコストの低い配信のみのリリースで出していきながら、適宜メンバーを増やしていけば安定する、に違いない……。

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