
私が炎上の中心になるなんて聞いてない――でも逃げたら推しが泣く
タイムラインが、冷たく沸騰していた。
「誰?」「過激」「新規が出しゃばるな」
「推しを盾にするな」
「正しい推し活を」
私は画面を閉じ、開き、閉じた。耳栓を両耳に入れても、視界の端がチカチカする。情報の量が、音みたいに暴れてくる。
ミレイから電話が来た。私は出られない。通話は音が増える。代わりに、チャットを開いた。
「ひより、いまヤバい。けど、殴り返すのは違う」
「うん……」
「スクショ保存。リンク保存。落ち着いて。今やることを切ろう」
さやの文面は、冷静だった。
私は震える手で、事実だけを抜き出した。
・引用したのはyuzu-kingdom
・私の文面は「生き延びる」
・攻撃の意図はない
・DMの脅しが来ている
「声明文を作る。短く。境界線を引く」
私は打った。言葉は、私の武器だ。なら、武器として使う。攻撃じゃなく、盾として。
さやがすぐに返す。
「構成:謝罪→意図→お願い→今後。固有名詞は最低限。相手は名指ししない」
ミレイが続ける。
「私は拡散係。ひより、文章係。さや、運用係。分業!」
私は、息を吸って吐いて、打った。
「昨夜の投稿で不快にさせた方がいたら申し訳ありません。『生き延びる』は私の弱さの言葉で、誰かを傷つける意図はありません。推しや他のファンを攻撃する行為、憶測の拡散はしません。DMでの脅しも含め、必要な記録は残し、距離を取ります。静かに推しを応援したいです」
送信。ミレイが即RP。さやが固定運用。タイムラインの温度が、ほんの少し下がった気がした。
それでも、ユズは止まらなかった。
「皆さん、こういう投稿が推しに迷惑をかけます。ルールを守りましょうね」
丁寧な言葉の形をした圧力。私は胸の奥が冷える。正しさの顔をした刃は、避けにくい。
さらに、公式らしき硬い文面が流れてきた。
「ファン企画の受付を一部停止します」
それを見た瞬間、タイムラインの火がまた大きくなる。
「ほらね」
「誰のせい?」
「新規のせい」
「古参のせい」
私は、椅子の上で丸くなった。耳栓が、耳の奥で擦れる。痛い。でも、痛みは現実だ。現実は、逃げても追ってくる。
さやが打った。
「ひよりさん。敵を間違えないで。いまやるのは“推しを守る運用”」
「……運用」
「現場で確かめる。憶測じゃなく、事実で」
現場。
私は、当落で落ちた。現場に行けない。そう思ったのに、画面に通知が出た。
TicketLot「一般販売」
胸が跳ねる。落ちたはずの世界に、扉が開く。怖い。人混み。音。最前列に立てない私。
でも、推しが「無理しないで」と言った。
無理しない、は、逃げることじゃない。
無理しない、は、方法を選ぶことだ。
私は、購入画面を開いた。
指が、購入ボタンの上で止まる。
その瞬間、DMがまた光った。
「あなたが動くと、推しが消える」
私は購入ボタンを押せないまま、画面の白さに飲まれた。
※本作品はAI生成本文を含みます
作者紹介

ヒトカケラ。
好きを少しずつ詰め込んだお話を、AIにも手伝ってもらいながら書いてるので、読んでもらえるとうれしいです。
公式サイト:https://hitokakera.com/
作者X:https://x.com/hitokakeranovel











