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しおにくが綴る「推さ日記」第4回:『推しキャラはコンテンツかアイドルか?』(AGFの変化から想うキャラ推しの今後)


2022年11月5日、6日の二日にわたり開催された”女子”のための祭典『アニメイトガールズフェスティバル 2022』。しおにく氏は、コロナ禍前の同イベントと比べて二つの変化を感じたといいます。それはどんな変化なのか? またそこから氏が考えた、”キャラ推し”の今後とは……?

AGFに大きな変化!?

 ぼくの世代だとAGFといえば「コーヒーギフトはAGF」のAGFなんですが、お歳暮の季節ですね。皆さんご機嫌いかがでしょうか、しおにくです。

 行ってまいりました、『アニメイトガールズフェスティバル2022(通称:AGF)』。ぼくは2015年から行ったり行かなかったりしているのですが、コロナ禍で大幅に縮小された昨年一昨年の2年間を感じさせないほどの盛況でした。

 とはいえ、もっと混んでた記憶があるのですが……。これは人々が大規模イベントに慎重になってしまったということもありつつ、大きく「グッズ販売形式」と「新作発表の場」の変遷によるものだと考えています。

 まずグッズの販売形式ですが、当日限定のグッズを購入するために並ぶのはイベントの醍醐味! さらに同好の士とのトレードも思わぬコミュニティの拡大、出会いがあります。

 ですが、この5年でネット通販の拡大やキャッシュレス決済手段の充実があり、転売対策を兼ねた予約販売や受注生産が増えました。決済はあらかじめネットで済ませておき、イベント当日は「お渡しのみ」というのも珍しくありません。

 こうなると、事前情報を駆使して列形成を見極め、現金を握りしめて目当てのブースに並ぶという現象自体が起こらなくなります。会場に設けられた列捌き用スペースもふんだんにあったため、「並びこそすれ以前よりスムーズな進行」という感想を抱いたのではないでしょうか。

 もう一つの新作発表の場についてですが、この日をお披露目の祭りと定め、アニメ・ゲーム企業各社がしのぎを削るというイメージは感じられませんでした。

 もともとそんなに企業がバトルするようなイベントではない? いえいえ、考えてもみてください。毎年いくつものアニメやゲームが誕生するわけですが、市場は一年で2倍や3倍に膨れ上がることはありません。花いちもんめよろしく、あの娘が欲しい、この娘が欲しいと、ツラのいい男子の絵柄とボイスをバシバシぶつけ合うのがこのイベント。AGFとは、まさにアニメイト・ガチバトル・フェスティバルの略でもあったのです!

……そんなわけで、少しおとなしくなってしまった寂しさもありつつ、今後の変化を感じられることが二つありました。一つは会場へ行った方ならご存じかと思うのですが「Nintendo Switch」がブースを出していたことです。

 かつては、乙女ゲームのプラットフォームとしてPSPからPS Vitaへの買い替えが進まず、Nintendo SwitchもLiteが出るまで「こんなデカいゲーム機、女性のバッグに入らねぇだろ」みたいなこともあって、ずっとPSPで遊んでいるファンもそれなりにいたとされている(←要出典、だぞ!)わけですが、ここにきてしっかり根を張っていることが窺えました。

 毎週木曜にnintendo eShopをチェックするのが癖になっているぼくも、なるほどダウンロード専売の乙女ゲームタイトルも多くあるしなぁ、と納得の展開です。

 そしてもう一つは……。そう、VTuberの大々的な進出です!

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