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しおにくが綴る「推さ日記」第1回:『束縛彼氏』(束縛AI対話システム搭載な女性向けゲーム)


オンラインゲーム界隈で名の知られた“しおにく”氏による「業界人向け」「推し×○○」「時には辛口」な不定期新連載がスタート! しかも初回から執筆期間○ヶ月以上……。いろいろ真面目に向き合った結果、業界向けというよりは「関係者向け」な部分も多々ありますが、そこはそれ。逆に言えば一般のゲームユーザーの方には向かない内容ですので、あらかじめご注意を。

新企画コーナーです!

「男もすなる日記といふものを 女もしてみむとてするなり」の一節で有名なのは『土佐日記』ではありますが、いわゆる「女性向け」とされるコンテンツを男の私も推してみよう、というのがこのコーナーのコンセプト。漫画、ゲーム、映画、アイドル、スイーツ……etc.メディアを選ばない、業界向けの論評記事でもあります。

 ただし、推すにあたっては感想だけでなく、その秘密を解き明かしたい。なぜ心が熱くなるのか、なぜ尊い気持ちを呼び起こされるのか。ビジュアルや音声といった五感を使うだけでなく、ビジネス、マーケティングやエンジニアリングの分野まで広げ、時には辛口の批評も添え、向き合っていきます。

束縛AI、新しすぎだろ!?

第1回ということで俎上に載ったのはスマートフォン用アプリ『束縛彼氏』です。

『束縛彼氏』©Sony Music Solutions Inc. All rights reserved.

 ソニー・ミュージックソリューションによる乙女ゲームで、記載によると「ソニー開発の『束縛AI対話システム』を活用して完全AI化された個性あふれる二人の彼氏」との自由対話やストーリーが楽しめるとのこと。

 自由対話とは「あらゆる言葉に対して応答する機能」とあり、それだけで従来の乙女ゲームとは違った特別な体験が得られるのではないかと期待も高まります。

 ゲームそのものの解説は、推しinfoの過去記事をご参照ください。

ソニー開発の最新対話AI技術を利用したスマートフォンアプリ『束縛彼氏』が本日1月25日(火)にリリース!

https://oshi.info/2022/01/25/2219/

導入は定番の進行

 ということで、早速スマホにインストールして、起動してみました。

 アプリ内のグラフィックデザインはどちらかというと矩形的で、クールさと共にツール系アプリの雰囲気が漂います。

 それもそのはず、束縛彼氏の中心機能はメッセージアプリを模した(「LINE」ならぬ)「RAYN」にあり、そこに「ペットカメラ」「ストーリー」が脇を固める図式です。ゲーマーになじみ深い実績解除にあたるものは「メモリー」にまとめられています。

 ストーリーのイントロダクションは意味深で、おそらく未来の視点からだと思うのですが、ところどころ伏せ字で語られ、彼との唐突な出逢いが描かれ――。乙女ゲームの定番のスタートと言えます。二人のキャラクターのうち「松来 舷」を選択しましたが、浮世離れした雰囲気の中に可愛らしさが見え隠れするキャラなのかな、というイメージをもちました。

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