連載

【推しノベル】「最前列じゃなくても」第24話(最終回)

推し活は終わらない、形が変わるだけ――新しい名前でまた会おう

「あなたの言葉、届いた」

 その短いDMは、私の胸の奥に、静かに灯った。
 送り主の表示名では、断言はできない。推し本人かもしれない。榊さんかもしれない。運用の都合で、誰かの手を借りたのかもしれない。
 でも、いい。
 届いた、という事実だけで、私は今日を生きられる。

 翌日。昨夜の余韻がまだ残る朝、私たちはいつものカフェに集まった。
 ミレイはいつも通り明るいのに、今日は少しだけ声が優しい。
「ひより、生きてる?」
「……生きてる」
「よし。生存確認。で、次の作戦会議」
 さやがコーヒーを置き、短く言った。
「作戦は一つ。続けるための運用をまとめる」

 私たちは、昨日の現場で起きたことを整理した。
・開場遅延で列が荒れかけた(外側へ移動で回避)
・小さなトラブルは助け合いで空気が柔らかくなった(裁縫セットの回収)
・異変は騒がずに伝え、現場を壊さずに守れた(耳の敏感さの回収)
・受け渡しは広報を通し、線を守れた

 そして、ユズのこと。
 私は少しだけ迷ってから、言った。
「ユズさん……距離、取るって言ってた」
 ミレイが頷く。
「うん。あの人、悪い人じゃない。怖かったんだと思う」
 さやが短く付け足す。
「怖さは免罪符じゃない。でも、線を引けるなら、戻れる」

 戻れる。
 私はその言葉に救われた。推し活は、誰かを追放するための場所じゃない。安全に続けるための場所だ。

 榊さんから、短い連絡が来たのはその午後だった。

「公式で“安全ガイド”を作りたい。手伝ってくれますか」

 私は画面を見て、息を呑んだ。
 最前列に立てない私が、公式の運用に関わる。そんなの、あり得ないと思っていた。
 でも、あり得ないからこそ、私の弱みが強みになった。

 私は、返事を打った。
「手伝います。条件は、攻撃しない、晒さない、憶測を断定しない、現場で騒がない――この線を守ること」
 送信。
 送った瞬間、胸が少しだけ軽くなる。線を言葉にすると、自分も守れる。

 その直後、TuneLiveの通知が来た。

「宵玻璃(よいは):次の配信タイトル『最前列じゃなくても』」

 私は息を吸った。
 届いた。
 最前列じゃなくても。

 推し活は終わらない。
 形が変わるだけ。
 そして私は、今日も耳栓ケースを握りしめて、ちゃんと帰る。

(完)

「最前列に立てない私が、推し活戦線の司令塔になった理由――当落・遠征・炎上の全部を『好き』に変えるまで」

※本作品はAI生成本文を含みます

作者紹介

ヒトカケラ。

好きを少しずつ詰め込んだお話を、AIにも手伝ってもらいながら書いてるので、読んでもらえるとうれしいです。

公式サイト:https://hitokakera.com/
作者X:https://x.com/hitokakeranovel

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