
集めたいのはお金じゃない、言葉だ――でも言葉が一番刺さる
フォームの一行は、私の胃をねじった。
「休止は契約。知らないなら黙ってろ」
知ってるふりをしたいわけじゃない。知らないから、確かめたい。確かめたいから、言葉を集めたい。なのに、“黙れ”が来る。黙るのが得意な私に、黙れと言うのは、刃物みたいだ。
ミレイが怒って打った。
「最悪。これ送ったやつ誰。晒す?」
さやが即座に止める。
「晒さない。燃料を足さない。ここは“運用”。弾く基準を作る」
基準。私は仕事の癖で、すぐに枠を作る。
・個人攻撃
・憶測の断定
・脅し
・差別や侮辱
・過度な詮索
これらは、載せない。載せないだけ。晒さない。反撃しない。無視じゃなく、選別。
私は打った。
「NG基準、作りました。これに当てはまるものは弾きます。返信しません」
さやが返す。
「OK。弾いた数も記録しておく。表に出さない。後で必要なら公式に渡す」
公式。榊さんの顔が浮かぶ。名乗れない広報。疲れた目。
“敵はファンじゃない”
じゃあ、こういう言葉を投げてくるのは、ファンなのか、ファンの皮を被った何かなのか。
私はフォームを閉じ、別の作業に移った。
手紙企画の募集文。短く、境界線を明確にする。
「玻璃民(はりたみ)の皆さんへ。宵玻璃(よいは)に救われた瞬間の言葉を、短く。個人情報は書かない。攻撃はしない。集まった言葉は1冊にまとめ、本人へ届けます」
ミレイがすぐにスタンプで拍手した。
「ひより、文章の盾強い」
私は小さく笑った。盾。攻撃じゃなく、守るための言葉。
募集を出すと、少しずつ言葉が集まり始めた。
「仕事が終わる帰り道、宵玻璃の歌で泣けた」
「眠れない夜に、呼吸が戻った」
「“帰って”が好き。自分を許せる」
ひとつひとつが、柔らかい。柔らかいのに強い。これが、私たちの推し活の形。
……でも、柔らかいものは、狙われる。
次に来た投稿は、言葉が硬かった。
「配信の消えた投稿、見た? あれ、圧力だよ。事務所が黒」
私は指を止めた。憶測。断定。燃料。
さやの言葉が頭に響く。
“事実確認まで回さない”
私は弾いた。返信しない。載せない。表に出さない。
その直後、ユズの投稿がタイムラインに流れた。
「皆さん、こういう時こそ落ち着いて。変な企画は推しを追い詰めます。公式が止めているのに、やるのは迷惑ですよね?」
私の企画を名指ししていないのに、私だと分かる。タイムラインの空気がまた冷える。私の胸が痛い。
ミレイが打つ。
「言い方!!」
さやが返す。
「反応しない。固定文を更新する。境界線をもう一度」
私は固定文を更新した。
「本企画は本人宛の1冊のみ。配布なし。拡散なし。攻撃なし。個人情報なし。公式の窓口を通す」
更新した瞬間、TuneLiveの通知が出た。
「宵玻璃:投稿が削除されました」
削除。
また、消えた。
タイムラインが、次の悲鳴を準備しているのが分かった。
「最前列に立てない私が、推し活戦線の司令塔になった理由――当落・遠征・炎上の全部を『好き』に変えるまで」
※本作品はAI生成本文を含みます
作者紹介

ヒトカケラ。
好きを少しずつ詰め込んだお話を、AIにも手伝ってもらいながら書いてるので、読んでもらえるとうれしいです。
公式サイト:https://hitokakera.com/
作者X:https://x.com/hitokakeranovel










