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しおにくが綴る「推さ日記」第2回:譲れない想い、譲れないデータ(推し活×NFT・SBT)

Soulboundトークン

 そういった胡散臭くて残念なNFTにも、使いみちがあります。コンテンツをNFTにして売買しようとするから前述したような歪な形をとらざるを得ないので、全然別の用途に使えばいいわけです。

 というわけで、ようやく今回のお題、Seoulboundトークンです。Soulboundの「Soul」は「魂」、そして「bound」はバインドすなわち「縛られ」です。ネット上の推し活によって、そのジャンルや度合いに応じたSBTが発行され、自分のウォレット(ブロックチェーンのトークンをしまっておく秘密鍵のこと)に格納されていく。
 トークンを直接買うのではなく、今月のライブに行ったらトークンA、フラスタを贈っておくとトークンB、公式ゲームをクリアしたらトークンC………。こういったことが推しの対象やグッズメーカーや何やらの境界を超えて色々なものに設定されていくとします。本当に「実績解除」のノリですね。

単推しである必要もありません。溜まっていくSBTを見れば、あなたが何をいちばん推しているのかが明確になるのですから。
 もし推し変した場合でも、過去は消せません。デジタルタトゥー的ではありますが、他人に見せたくないSBTがあれば非表示にすることはできます。

 先ほど説明したNFTの場合は、売買、取引ができると書きましたが、SBTは他人に譲ることができません。発行者に返す(リボーク)は可能とされます。なので、いわゆる「転売ヤー」の介在する余地がなく、手に入れるには正規のルートしかあり得ないわけです。どれだけほしくても、お金のありなしではどうしようもない。保有しているだけで“選ばれしもの”であることを証明してくれるわけです。

 また、基本的に暗号資産やNFTはウォレット(秘密鍵)を失ってしまうと、二度と手元にそれらを復元することはできませんが、SBTの場合は、いわば「同好の士」たちとの関連性が証明できれば復元できるという道が残されています。「ああ、あの〇〇さんなら、まごうことなき▲▲沼にハマッった御仁だよ」という他者からの評価、信頼が窮地からあなたを救ってくれるというわけです。恥ずかしいなこれ。

 けれど、自分自身の譲れない想いが積み重なっていく様が可視化されていくのって、なんか素敵じゃないですか?

 そういう観点から、本来SBTとは社会的信頼をデジタル化して役立てようという試みなわけですが、「推し活」に最適と考えたわけです。

Web3時代、あなたはどちらへ進む?

 最近よく耳にするWeb3は、GAFAなどのビッグ・テックやプラットフォーマーが個人たちの情報を独占することから脱却しようという思想に立脚しています。
 ぼくもAmazonだけでなくプレミアムバンダイやFANZAに趣味嗜好を握られまくっているので、脱却したいです。

 そういうときに、自分自身のデータは自身のウォレットに暗号化して格納し、見られたくないものや探られたくないものは非表示にし、使うべきときにはしっかり使う、というWeb3の方向性はありがたい。

 それに、SBTのように、自分の属性を的確に示せる仕組みが世界的に採用されていくなら、作家で企業役員で自治体顧問でアイドルオタクでゲームマニアという複雑な属性を、相手によっていちいち説明し分けなくてもよくなります。相手が見たい属性だけ見せて、いいように理解してもらうということができますので……。

 なんなら仕事もらえる機会もめっちゃ増えそうです。なぜなら、発注元というのは「この仕事、あんたに適正あるの?」を常に探ってくるからです。

 そういう点からも早くWeb3時代が到来して、自身の情報をコントロールできたらいいな、と思うのですが、実際Amazonは便利だしな……情報預けてでも便利さの中で生きていたい……。というところからは中々抜け出せない感じもしますね。

 ということで、最先端の技術が推し活に有効じゃん!? という話をしました。次回はゲームレビューをやるぞ!

(おわり)

執筆/しおにく

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