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「推さ日記」第6回『推し(#ババババンビ)が武道館いくので死ねなくなった』

衣装の布が良いグループは大成する!?

 その儚い月が一転、太陽が如く燃え盛り始めたのは結成から一周年、2021年の春。新メンバー(宇咲、近藤紗瑛子)が加入して7人グループとなり、「やり直しデビューライブ」が開催された頃です。

 当時メディア向けに使われていたキャッチコピーが「圧倒的顔面偏差値」で、ライブの行えないコロナ禍においては、アイドルは写真画像やグラビアで戦うことになるのだから、このマーケティング的選択は確かに正しい。所属がモデル事務所というのはかなりアドバンテージだったんじゃないでしょうか。
 結果、週刊誌やネットニュースに取り上げられることが増え、ぼくの見ていたSNSタイムラインにも#ババババンビの名前やニュース記事、メンバーの投稿した写真画像が流れてくるようになりました。どんなもんだろうとYouTubeへのリンクをクリックしたところ……。

 再生されたのは…か、角田信朗の野太い声…!? 「エッ、SE(出囃子)を格闘家がやってる…ってコト!?」と、頭の中ハチワレ状態で見続けていると、ステージ上で背の小さいメンバーが角田信朗に遮られてぴょんぴょん跳ねてる…か、かわえぇ〜。

 それが「赤色デカリボン!ポニーテールの覇者!身長145センチ、岸みゆこと岸みゆ」との出逢いでした。

【初ライブ映像公開】2021.03.27 #ババババンビ デビューライブ

 そこからは情報飢餓の状態に陥って、貪るようにネットを検索。気になったものは解像度を上げていかないと死んでしまう悲しきオタクの習性よ。
 夏になる頃には生まれて初めてリモチェキ(註:リモートチェキの略。チェキ会に参加できないご時世でもリモートで会場にいるかのようなチェキ写真を撮って配送してくれるサービス)を買い、これまで乃木坂46謹製のブロマイドしか買ったことのなかったぼくは衝撃を受けたわけです。
 なんていうか、チェキって、光量の足りなさや白トビ黒潰れのコントラストがめっちゃエモいですよね……。

 さらに居ても立っても居られず、チケットを買って飛び込んだKT Zepp YOKOHAMA「#大馬鹿者祭」。当時はインディーでの1st.アルバム『強く儚い大馬鹿者達』が発売されたばかりで、ほとんど曲もわからない時分でしたが、ものすごく楽しめました。きっちり次回のライブまでに聴きこもうとAmazonでCDを注文。買ってから「Apple Musicにあるじゃん!」ってなったんですが。

 個人的にライブでかなり気になったことがあって、それは「衣装の布が良い」ことだったんですね。これはセールスポイントのビジュアルにもすごく関わってくる。
 例えば、乃木坂46のデビューシングル『ぐるぐるカーテン』の歌衣装、当時のMVを見るとわかるのですが、今では信じられないくらい生地が安っぽい(…すみません)です。干支が一周するくらい昔なんだからそんなものかもしれませんが、今や誰もが知っている国民的アイドルですら「一年目」感は衣装から漂ってきていたものなんですよ。(←訳知りオタク顔)

 しかし、#ババババンビにその不安はなかった。舞台に上がるアイドルに良い衣装を着せる。当たり前のことに見えますが、結果が見えるまでそんなに投資できないという台所事情のグループもたくさんあるでしょうし、きっちりそこを押さえている#ババババンビは別格に思えたんですね。
 衣装が良いと、特有のコケティッシュで時にアグレッシブな振り付けもめちゃめちゃ映えます。メンバーのダンスのキレに追従しながらも情報量の多い衣装って、たぶん作るのが難しいんですよ。

 今思えば、その見立ては間違ってなかったなぁ、なんて。もっと早くから出逢っていればよかったと思えるほど。
 ただ、その公演はSOLD OUTならずということで、これがおそらくバネになって、翌春の二周年ライブでのジャンプアップに繋がったのだろうな、ということはなんとなくわかります。

 画像は、ちょうど2年前にプライベートなSNSで投稿した内容。けっこういい目利きしてんじゃん、おれ!?

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