連載

【推しノベル】「最前列じゃなくても」第17話

晒しの予告が来た――守るべきは推しより先に、私たちだ

眠れない夜は、音が増える。冷蔵庫の稼働音、壁のきしみ、遠くの車。耳栓をしても、世界はゼロにならない。

 スマホが震えたのは、午前1時過ぎだった。
 非通知着信。昨日と同じ。私は出ない。出ないと決めた。

 代わりに、メッセージが来た。
「明日、全部出す」
 送り主は、記号アカ。
「あなたの勤務先。あなたの本名。あなたの“仲間”も」

 私は、身体の中の血が冷えるのを感じた。
 推しより先に守るべきものがある。
 私たちの生活。私たちの安全。そこが壊れたら、推し活は続けられない。

 私はさやに共有した。指が震えて、誤字が出そうになる。私は深呼吸して、整えて送った。

 さやの返信は速かった。
「守る。まず“外に出ない”。現場は近づきすぎない。連絡先を整理。必要な人に相談。こちらから攻撃しない」
 ミレイが続く。
「ひより、今からうち来る? 一人でいるの危ない」
 私は迷った。怖い。でも、迷っている時間が危ない。

「行く」
 私は短く返した。

 ミレイの部屋は、推し色の小物が多かった。でも、派手じゃない。生活の中に推しがいる。私はその空気に救われた。人の生活の匂いは、怖い時に現実を戻してくれる。

 私たちは、やることを切った。
・現場までの移動を分担(単独行動しない)
・SNSの固定文を更新(個人情報に触れない)
・榊さんへの連絡(受け渡し時間の確認)
・最悪の場合に備えた連絡網(具体手順ではなく“誰に”を整理)
 さやはオンラインで淡々と指示を出し、私たちは淡々と従った。

 そのとき、ユズの投稿が流れた。
「皆さん、推しのために静かに。変な人に絡まれたら、無視が一番です」

 変な人。
 その言葉が、私の胸を刺した。私のことを変な人と言っているのかもしれないし、脅している相手のことかもしれない。でも、その曖昧さが一番怖い。

 私は、画面を閉じた。
 今夜は、守る夜。

 榊さんから返信が来た。
「受け渡しは、会場近くのスタッフ導線で。あなた達の安全が優先。無理しないで」

 無理しないで。
 推しと同じ言葉。胸が痛い。痛いのに、温かい。

 そして、夜の終わりに、ユズからDMが来た。

「明日、現場で答え合わせしよ。あなた、間違ってるから」

 間違ってる。
 私はその言葉を、息と一緒に吐いた。
 間違っているのは、私か。ユズか。世界か。

 答え合わせは、明日。
 明日は、現場。

「最前列に立てない私が、推し活戦線の司令塔になった理由――当落・遠征・炎上の全部を『好き』に変えるまで」

※本作品はAI生成本文を含みます

作者紹介

ヒトカケラ。

好きを少しずつ詰め込んだお話を、AIにも手伝ってもらいながら書いてるので、読んでもらえるとうれしいです。

公式サイト:https://hitokakera.com/
作者X:https://x.com/hitokakeranovel

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